明治安田J3リーグの第28節が19日に1試合、20日に8試合、21日に1試合開催される。今節が終われば、リーグ戦も残り10試合。どのチームもいい形でのラストスパートにつなげるためにも、勝点3が欲しいゲームとなる。

FC大阪・久保吏久斗©J.LEAGUE

金曜日唯一のカードで激突するのは、4位のFC大阪と9位のギラヴァンツ北九州だ。FC大阪は自動昇格争いに再び食い込んでいくために、北九州はJ2昇格プレーオフ出場権争いに食らい付いていくために勝利が欲しいところ。両チームともに前節で中断明け最初の勝利をつかんだ勢いをこのゲームにつなげて連勝といきたい。

特にFC大阪は、大嶽直人監督から薮田光教監督に体制の変更があった中での勝利という意味でも前節栃木シティ戦の勝点3は大きかった。8月最後の第25節SC相模原戦で0-2と敗れた後に監督交代が行われ、新体制の初陣となった前々節のツエーゲン金沢戦も1-2で敗戦。このままズルズルといってしまう危険性もはらんでいた中、同じく自動昇格を争う相手に勝ち切ったことで、自信を取り戻した部分は少なからずあるはずである。

首位のヴァンラーレ八戸とは6ポイント差で、2位の鹿児島ユナイテッド、3位の栃木Cとは3ポイント差。まだまだ十分にひっくり返せる差であるだけに、ここで約3か月半ぶりの連勝を果たし、勝負の残り10試合につなげたい。

また、監督交代という大きな決断をしたクラブという意味では、最下位に沈むアスルクラロ沼津にも注目である。現役時代にもこのクラブでプレーし、2023シーズンから指揮を執っていた中山雅史監督の退任を14日に発表。同時に後任には鈴木秀人ヘッドコーチが就くことも発表された。

昨シーズンは上位争いを繰り広げたことでさらなる躍進が期待されたが、今シーズンは開幕から思うように勝点が伸びないまま、前節の松本山雅FC戦に0-2で敗れ、泥沼の7連敗となった時点での決断。結果だけを踏まえれば、致し方のない監督交代劇にも映るが、前監督がキャラクターなどを含めて影響力の大きな人物だっただけに、走った衝撃は大きい。

とにもかくにも、いま求められているのは連敗を止めることになる。J3残留圏内の18位AC長野パルセイロとの勝点差は『8』。簡単なミッションではないが、今節を含めて残り11試合での逆転残留は、十分に可能なだけに、まずはホーム・愛鷹広域公園多目的競技場で行われる奈良クラブ戦に全精力を注ぎたい。

上位直接対決という点で、大きな注目を集めるのは、鹿児島とテゲバジャーロ宮崎の“九州ダービー”となる。2位の鹿児島に対して宮崎は5位と順位の上はやや開きはあるが、勝点差はわずか『4』。ここで宮崎が勝てば一気に差は縮まり、自動昇格もさらに混とんとしてくるだけに激闘は必至である。

ここまで鹿児島はホームで9勝3分け2敗と高い勝率を誇っており、現在は5連勝を含む8戦負けなし。7勝1分けと負ける気配がない。ただ、そんな相手に挑むことになる宮崎であるが、前節は13戦無敗で首位を快走する八戸に約4カ月ぶりの土をつけ、独走状態にストップをかけた。首位に続き、2位のチームからも勝点3を奪えれば、残り10試合に向けて大きな自信となるだろう。鹿児島が突き放すか、宮崎がピタリと追走するか、昇格レースの行方を占う大一番となる。

【制作・編集：Blue Star Productions】

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