ついにすべてが決着する最終節。明治安田J3リーグ第38節は11月29日（土）15時に全10カードが一斉キックオフを迎える。

前節決勝点を挙げた堀越大蔵 ©F.C.OSAKA

前節終了時点で栃木シティのJ2昇格が決定した。AC長野パルセイロをホームに迎えたゲームは前半こそゴールを割れずにスコアレスで折り返すも、後半に相手を圧倒。56分にCKからマテイ・ヨニッチが先制点を挙げると、その2分後に追加点。そして後半アディショナルタイムにもトドメの3点目を奪って堂々のJ2昇格を確定。これで栃木Cは、2024年の関東1部リーグからJFLへの昇格を皮切りに、昨季のJFLからJ3、さらに今季はJ3からJ2へと3年連続での昇格達成という偉業を成し遂げた。その栃木Cは最終節にJ3優勝を懸けて戦う。SC相模原のホームに乗り込んでの一戦で引き分け以上の結果に終われば、その瞬間に優勝が決定する。

もう一つの自動昇格は、勝点71の2位ヴァンラーレ八戸、勝点68の3位FC大阪という2チームの争いに絞られた。勝点差を考えれば、引き分け以上で昇格が決まる八戸が圧倒的優位にあるが、直近の成績や勢いを見ると、FC大阪が大逆転昇格を果たしても不思議ではない。

八戸は最近5試合で2分け3敗、約1カ月間にわたって未勝利という足踏み状態が続く。今節で勝点1でも積み上げればJ2昇格が決まるものの、仮に敗れた上でFC大阪が勝利すると、勝点で並び得失点差や総得点差で逆転される可能性が濃厚。今節は八戸がFC琉球と、FC大阪がFC岐阜と、どちらもアウェイゲームとなる。両チームともにクラブ史上初のJ2昇格が懸かる運命の最終節。アウェイの地で歓喜の瞬間を迎えるのはどちらのチームになるのか。

また、自動昇格争い以上に“カオス”なシチュエーションで最終節を迎えるのは、J2昇格プレーオフの出場権を巡る戦いだ。すでに5位鹿児島ユナイテッドまでは出場が決まっているが、最後の一枠を巡って勝点1差に4チームがひしめく大混戦。6位ツエーゲン金沢、7位ギラヴァンツ北九州、8位奈良クラブの3チームが勝点56で並び、9位の栃木SCも勝点55でピタリと追走している。

混戦を勝ち抜いてプレーオフ出場権をつかむために得失点差の争いも大事になるところだが、こちらも金沢と北九州が＋6、奈良が＋5、栃木SCが＋2と大差がなく、勝利した上でいかなるスコアで勝てるかがプレーオフ進出の命運を握ことになる。最後の90分間で1点でも多く奪い、1点でも少なく抑えられるかどうか。“1点への執念”が求められるファイナルマッチとなる。

最終節のカードを見ていくと、北九州は松本山雅、奈良はガイナーレ鳥取、栃木SCは長野とのアウェイゲーム。金沢だけがホームアドバンテージを持って最終節を戦えるものの、5位鹿児島との対戦を強いられることで苦戦も予想される。“予測不能の四つ巴”を制し、J2昇格に望みをつなげるのはどのチームだろうか。

【制作・編集：Blue Star Productions】

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