倉科カナ主演によるオリジナルドラマ「情事と事情」が12月5日からLeminoで独占配信中。今回は主人公・結城愛里紗(倉科)の夫・修を演じる俳優・ミュージシャンの金子ノブアキ、その愛人・玉木まりも役のフリーアナウンサー・俳優の森香澄にインタビューを行った。役柄では不倫関係という複雑な間柄を演じる2人にお互いの印象などを聞いた。
金子「“自分にできるのかな?”」
本ドラマは同名小説を原作にした、“情事と事情”が絡み合う恋愛群像劇。さまざまな事情を抱える男女の関係が複雑に交差し、意外なつながりを見せていく。
――「情事と事情」への出演が決まった時の気持ちから聞かせてください。
金子:出演が決まって原作の小説を読んだんですけど、最初は見た目も含めて、修の実態がわかりづらくて、“自分にできるのかな?”という気持ちになりました。最終的には最高の形に収まっていくんですけど、読んでる途中は“どうしたら良いのかな?”なんて結構考えたりしましたね。読後感で、「これは絶対にうまくいくな」って思ったので、映像化していく時はそれを逆算していく形になりました。原作ではモノローグだったセリフがドラマでは“オン”になっていたり、原作にあった部分が割愛されていたりしましたけど、その無くなったシーンの気配もどこかに残しておかないといけないなと思ったので、そういうことも考えながら演じようと思いました。
――森さんが演じるまりもは、金子さん演じる修の不倫相手ということですが、森さんから見た修はどういう男性ですか?
森:どういう男性なんですかね?(笑) なかなかどういう人物なのかつかめないんです。私は、まりもと修のシーンしかご一緒してないので、その関係性で言うと、ヒドイ男です(笑)。
――逆に、金子さんから見たまりもは?
金子:視聴者の方が感情移入しやすい人物なんじゃないかなって思います。まりもちゃんと、さえちゃん(さとうほなみ演じる中条彩江子)が、普通と言ったらあれですけど、ニュートラルな感じだと思うんです。修と愛里紗の夫婦は独特な“間”で生きてる人たちで、すごい“間合い”があって、でも過ごしてきた十何年もあるし…。そういう関係性を考えながら演じていくのが楽しかったですね。そんな夫婦の間に、まりもちゃんが入ってくることで、視聴者の方は一回“主観”に入れる気がするんです。そういう意味でも、まりもちゃんは重要人物ですよね
森、現場では「パンケーキの話で盛り上がりました(笑)」
――いろんな恋愛の形が描かれている作品で、シリアスなシーンも多いと思いますが、お二人のシーンの撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
森:撮影の時、パンケーキの話で盛り上がりました(笑)。
金子:そうそう。「どういうパンケーキが好きか?」という感じで熱く語り合いました(笑)。スタッフさんがパンケーキデザインのシャツを着てたんですよ。それを見て、「パンケーキって美味しいよね」「パンケーキっていいよね」って、話題は自然にパンケーキのことになっていって。
森:撮影しているシーンの内容とは関係なく、カットがかかったら和やかな雰囲気でした。
金子:うん。基本的にはテンション高くて、重たいシーンでもカットがかかったら重い空気に引っ張られずに切り替えられる感じで。
森:そういう現場だったので、私もすごくやりやすかったです。
金子&森はドラマ初共演「言葉に出すと実現することってあるよね」
――お二人はドラマ初共演ですよね?
金子:ドラマはそうですね。以前、(本作とは別の)発表記者会見のようなイベントがありまして、そこに出席させてもらったんですが、その時に司会進行役をされてて。
森:はい、そこで少しお話をさせていただきました。
金子:「俳優の仕事もされてるんですか。いつか一緒にお仕事ができるといいですね」って話をしたんですけど、結構すぐに共演できました(笑)。
森:私も全然予想もしてなかったです。その時は「この作品、いかがでしたか?」っていうふうにインタビュアーを務めていたので。
金子:でも、言霊じゃないけど、言葉に出すと実現することってあるよね。こういうのも人の縁だと思うので、大切にしたいですね。
森、金子は「中学生くらいの時から数々の出演作を…」
――森さんから見た“俳優”としての金子さんの魅力は?
森:私が中学生くらいの時から数々の出演作を見てきましたし。
金子:おっと!中学生?恐ろしい…。
森:毎週ドラマを楽しみにしていた方だったので共演できて光栄です。作品を見ると、大人の男性の色気も感じますし、かっこよさも感じるんですけど、お話しするとおちゃめなんです。すごく気さくに話しかけてくださって、ありがたかったです。
金子:パンケーキの話で盛り上がるくらいですからね(笑)。
――そういうところも含めて、いい空気を作ってくれた感じですね。
森:そうですね。あ、でもパンケーキだけじゃなくて、セリフについても話したりしてましたよ。「このセリフ、修はどういう気持ちで言ってるんですか?」って聞いたり。
金子:うん。それと、さっき話した“原作にあったけど脚本に入りきらなかったセリフとか場面”についても。映像化するにあたってどうしても割愛されたのが、修が怒るシーンなんです。まりもちゃんにちょっと脅されて、めちゃめちゃブチギレて…っていう場面も脚本では違う表現になっていたりしたので、そのへんのイメージを共有してもらったり。
――“無くなったシーンの気配もどこかに残して”というのは、そういうことだったんですね。
金子:はい。修って、潜在的にオープンなキャラクターだと思うんです。だから、これだけ立ち回ってるにもかかわらず、男からも女からもそんなに恨まれてないので、人たらしなんだと思うんです。
でも、一度ペースを乱されたり、自分の領域に入られた時にすごく拒絶する人物だと思うので、その空気感だけは出したいなと思って相談してました。愛里紗と同じで、ちょっとサイコパスな部分があるんだと思います。
「アメリカン・サイコ」(2001年公開)って映画があるじゃないですか。あの主人公は人を殺してしまうんですけど、修はそこまでじゃないけどその系統かな。その修が唯一人間らしさを見せるのが怒る瞬間なんじゃないかと。
「情事と事情」あらすじ
裕福な家庭の娘として生まれ、装幀家として活躍する結城愛里紗(倉科カナ)。愛里紗の夫で会社役員の結城修(金子ノブアキ)。
愛里紗の友人でフリーライターの中条彩江子(さとうほなみ)。カメラマンの世良晴人(佐藤寛太)。
愛里紗の夫・修と愛人関係にある玉木まりも(森香澄)。ピアニストの佐藤玲門(寺西拓人)と、その恋人でピアノバーの経営者兼バーテンダー・水無月流奈(真飛聖)。
次第に各々が抱える事情が明らかになり絡み合って、意外なつながりを見せていく大人たちの“情事と事情”を描いた物語。
【制作・編集:WEBザテレビジョン編集部】
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